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Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; 安部 晋一郎; 反保 元伸*; 竹下 聡史*; 三宅 康博*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 67(7), p.1566 - 1572, 2020/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)ミューオン起因シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、デバイスの微細化に伴い増加することが予想されている。環境ミューオンがデバイスに入射する角度は常に垂直とは限らないため、ミューオンの入射角がSEUに及ぼす影響を評価する必要がある。そこで本研究では、バルクSRAMおよびFDSOI SRAMに対して、0度(垂直)と45度(傾斜)の2つの入射角で負ミューオン照射試験を実施した。その結果、傾斜入射では、SEU断面積がピークとなるミューオンエネルギーが高エネルギー側にシフトすることを明らかにした。一方で、SEU断面積の電圧依存性や複数セル反転のパターンなどは、垂直入射と傾斜入射では同様であることも明らかにした。
Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 真鍋 征也*; 安部 晋一郎; 渡辺 幸信*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7), p.1390 - 1397, 2019/07
被引用回数:13 パーセンタイル:81.94(Engineering, Electrical & Electronic)SRAMにおける複数メモリセル反転(MCU: Multiple-cell Upset)は、誤り訂正符号では対処できないため、電子機器への放射線影響として大きな問題となる。環境中性子線起因MCUについては特性評価が行われている。一方、負ミューオン起因MCUに関しては最近報告がされるようになってきた。中性子起因MCUと負ミューオン起因MCUは、ともに二次イオンによって生じるため、ある程度類似性があると予想される。そこで本研究では、65nmバルクSRAMへの、連続エネルギー中性子、準単色中性子および単色負ミューオン照射ソフトエラー測定実験を行い、負ミューオン起因MCUと中性子起因MCUの測定結果の比較を行った。その結果、MCUイベント断面積の動作電圧依存性はほぼ同じであることを明らかにした。またモンテカルロシミュレーションを行った結果、実験結果と合致する結果が得られた。
安部 晋一郎; 佐藤 達彦
EPJ Web of Conferences, 122, p.04002_1 - 04002_6, 2016/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.06(Physics, Nuclear)高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核種(LLFP)の処理方法として、核変換技術が研究されている。しかしながら、Sr, Sn, Csなどの中性子吸収断面積および核分裂断面積が小さい核種に関しては、中性子による核変換が困難である。このような核種の核変換について、負ミューオンの適用が検討されている。低エネルギーの負ミューオンは原子に捕獲されミューオン原子を形成し、その後崩壊または原子核に捕獲されるが、このミューオンを捕獲した原子核は中性子や陽子などを放出し、別の核種へと変換される。放射線輸送計算コードPHITSの最新版では、負ミューオン捕獲反応の計算機能が実装された。そこで、PHITSを用いて負ミューオン捕獲反応による核変換の実現可能性の調査として、Srによる負ミューオン捕獲反応を計算した。その結果、94%の負ミューオンが原子核に捕獲され、66%のSrが安定核または半減期20日以下の核種へ変換されることが確認された。一方で、15%のSrは元よりも半減期の長いRbへ変換されることも判明した。